越冬

訴えたいことが、ないんです

青っ洟の子供

本を読んでいると、昭和の子供はよく青っ洟を垂らしていたようである。

青っ洟、青っ洟とは何だろうか。

青っ洟の記述を読むたびに以前から気になっていた。私の人生で見かけた鼻水は無色か黄色っぽいもので、青っ洟と言われてもピンと来なかった。青っ洟というのだから、青、または緑。緑がかった鼻水なんだろう。自分でも他人でも見たことはない。

気になって調べたところ、風邪などをひいて細菌と戦い死んだ白血球があの白っぽい、もしくは黄色っぽい色の原因らしく、青っ洟は体内の白血球が細菌に負けている状態だとそんな色になるらしい。膿のようなもの、と言われて、そう言えば化膿した膿は黄色っぽいのもあるけど緑がかったものもあるような、と納得した。

昭和の子供は栄養状態が悪かったせいで、風邪をひいても風邪菌と戦って勝つ体力が無く、常に青っ洟を垂らしている子供が多かったのだ。栄養の良い今の子供達ではなかなかお目にかからないはずである。私も、ヘルニアに苦しんでいた時も、痛みに呻きながらも三度三度の食事の上におやつのアイスまで食べていたのだから、現代とは有り難い時代である。身体も何故身動きも取れないのにこんなに栄養を摂取できるのかと混乱したことだろう。

青っ洟の子供は栄養状態が悪かった昭和時代の話、昔の話ではあるけれど、何とは無しに懐かしい気持ちになる。

ついでに昭和の子供は袖口で鼻水を拭くので、袖口が鼻水の固まったのでカピカピになっていた、ともいう。ちゃんとちり紙で鼻をかめよ。それは風情じゃ済まねえぞ、と申し上げたい気持ちになる。