越冬

訴えたいことが、ないんです

贅沢は素敵だ

最近、私の周りで一大節約貯金ブームが来ている。

私に来ているわけではなく、私の周りに来ている。

皆、ある程度歳を取って、将来に対する不安とか、そろそろ真面目に貯金せねばとか、思っているらしい。

しかし私は今、時計が欲しい。

今まで、安い時計を使ってきた。今使っているのは三万円ぐらいの時計だ。デザインは気に入っているし、特に不足は無いのだが、欲しいのだ。高級腕時計が。

世間ではダニエルウェリントンだか何だか、おしゃれな、おしゃれというかノームコア的な時計が流行っているが、私が欲しいのはそういう何となくおしゃれでまあまあな腕時計ではない。ガチの高級腕時計。ガチのやつが欲しいのだ。

ガチとは何かというと、見た目の好みを言うならブレゲのクラシック、パネライのレディオミールがいいのだ。いかんせん、男物の盤面がでかい物であって、私のように背も無ければ腕も貧弱な者には到底男物の腕時計は着けこなせない。そして流石に高すぎる。

女性ものとしてはカルティエのタンクアメリカンがいい。女性らしく素敵だ。私は周りをダイヤで囲んで頂く必要は無いので、その点あまり高くなりすぎない。お値段三桁万円だが、いつかは欲しい。そういう憧れの品である。

そして先日、バーゲンも始まったし、人々にボーナスも出たことであるので、人混みに紛れて見て回れるだろうと思って、高級腕時計売り場に行って来たのだ。しかし行ってみて分かったのだが、誰もいない。ほとんどいない。ボーナスが出たから高級腕時計買うちゃろ、という輩は世の中には滅多にいないらしい。もちろん高級腕時計様はバーゲンなどに紛れて値下げなどしないので、白い値札のまま燦然と光り輝いていらっしゃる。

そんな人っ気のない高級腕時計売り場を私は歩いてきた。色々見て回って来た。高島屋にも、三越にも行った。店員は私が客ではないと見抜いたのか、軽く声を掛けて後は放置だった。

そうして色々見て回ったところ、やはり高い。そして盤面がでかい。そして画像で見て良いと思ったものでも生で見るとやはり違って見えるということが分かった。

生で見て回った結果、ロンジンが結構好みだと分かった。ロンジンの某シリーズはタンクアメリカンに似ていないだろうか。そして機械式に拘りがないので、クォーツでも構わない者としては、ロンジンはちょうどいい。値段も高級腕時計入門としては程良い値段ではなかろうか。

今後はロンジンを中心に見て回って、これぞという物が見つかったら、思い切って買いたい。できれば。数年以内に。