越冬

訴えたいことが、ないんです

本を捨てる

積ん読が大好きな私であるが、一応少しづつ読んではいる。そして読み終わると今度は読み終わった本も積み上がっていく。

またぞろ本が増え過ぎて来たので、ここらで心を鬼にして本を捨てねばならないと、第何回目かの大処分をすることにした。

目標冊数は50冊。これだけ捨てれば多少は本をしまう隙間もできるはずである。

 

さて、と引き出し(私はタンスの中に本を仕舞っている)を開ける。ここ最近読んだSF作品をさっさと抜き出す。面白く読んだが未来永劫置いておくわけにはいくまい。それから過去数回の処分で悩んでチビチビと捨て出していた町田康を思い切って全て処分する。

そしてチビチビ捨て始めていた川上弘美作品も、また更に厳選して数冊捨てる。自分的課題図書として読んだ何冊かの本を捨てる。もしかしてやる気を出すかもしれないと買った料理の本も捨てる。吉村昭の小説も何冊か捨てる。よく分からんと思いつつ後生大事に取って置いた安部公房も捨てる。諦めろ、お前には理解できる日は来ない。

それから教養と思って買った宇治拾遺物語、読破出来ず捨てる。死者の書も捨てる。死者の書といえば、死霊も始めの数ページで挫折して止まっているのだが、いつかやる気を出すかもしれないと未来の自分に望みを繋ぎ、処分は保留にした。

 

友人は10冊残して後は全て処分した、と潔いことを言っていたが、やはりなかなか真似出来そうにない。いつでも本屋で買えそうな物は本屋で買い直せばいいので捨てたというが、今のところまだシャーロックホームズシリーズは捨てられない。

今、作家買いして捨てられないのは武田百合子内田百間須賀敦子ぐらいだろうか。既にこの三人の作品だけで10冊を超えてしまっている。どうせ読み直すことがないんだから捨てたら、と言われ、それは確かにそうだと思いつつ、捨てられずにいる。

 

今、これで45冊になった。あと5冊、ひねり出したい。

過去の垢を無理やり削ぎ落とす儀式のようだな、と思いつつ、引き出しを睨んでいる。